あいみょん「マリーゴールド」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
(出典: https://rockinon.com/news/detail/178087)
その独自の世界観と、老若男女問わず聴き入ることのできる楽曲で多くのファンを惹きつけている、兵庫県西宮市出身のシンガーソングライター・あいみょんさん。
最新シングルの「マリーゴールド」でも、鮮やかで切ないこの楽曲の魅力に大きな注目が集まっています。
リスナーに委ねられた歌詞の解釈の幅や深さもさることながら、優しいメロディーも際立ったこの「マリーゴールド」。
そこで今回は、この曲の歌詞の意味やそこに込められた想いを探っていきたいと思います。
あいみょん「マリーゴールド」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
「マリーゴールド」ー あいみょん
作詞: あいみょん
作曲: あいみょん風の強さがちょっと
心を揺さぶりすぎて
真面目に見つめた
君が恋しいでんぐり返しの日々
可哀想なふりをして
だらけてみたけど
希望の光は目の前でずっと輝いている
幸せだ麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて 抱きしめて 離さない本当の気持ち全部
吐き出せるほど強くはない
でも不思議なくらいに
絶望は見えない目の奥にずっと写るシルエット
大好きさ柔らかな肌を寄せあい
少し冷たい空気を2人
かみしめて歩く今日という日に
何と名前をつけようかなんて話してああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま遥か遠い場所にいても
繋がっていたいなあ
2人の想いが
同じでありますように麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて離さないああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま離さない
いつまでも いつまでも 離さない
あいみょんの「マリーゴールド」は何について歌った曲なの?
(出典: https://twitter.com/aimyongtter/status/1019193139477659649)
時系列で言えば、2018年4月リリースの「満月の夜なら」より先に出来ていたというこの「マリーゴールド」(本人曰く、去年の9月ごろ)。
一度聴くとその温かみのあるメロディーと、少し切なくノスタルジックな歌詞に心を掴まれる優しいラブソングに思える一曲ですよね。
あいみょんさん自身の言葉を借りて、まずはこの楽曲が生まれた背景を探っていくことにしましょう。
「マリーゴールド」についてインタビューで聞かれたあいみょんさんは、
この曲の作曲について、
「ほんとに偶然、最初のサビの歌詞がひらめいて、そっから物語を作っていった感じですね。麦わら帽子をかぶってる女の子の後ろ姿がマリーゴールドの花に似てるっていうところから」
「そもそも自分が作った物語としては、あの頃の恋を思い出してるふたりがいて、これからもずっとずっと一緒にいれたらいいねって言ってる話なんですけど、聴き手によって、それぞれに物語を作ってもらっていいですし、もしかしたら悲しい歌になるかもしれないし、ものすごいラブソングなのかもしれないし」
というコメントを残しています。
確かに、曲の歌詞に注目してみると、
真面目に見つめた
君が恋しい
希望の光は
目の前でずっと輝いている
幸せだ
「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて 抱きしめて 離さない
といった表現が並んでおり、今まさに現在進行系で恋をしている人が、好きな相手を想って浸れる曲とも捉えられるし、「あの頃の恋」を思い出してる描写も共存しているような印象も受けます。
あいみょんさんが最初に意図していたのは「ハッピーなラブソング」ということは分かりました。
それでは、この解釈をベースに置いた上で、
今度はあいみょんさんの曲特有の余白を楽しみながらこの「マリーゴールド」をもう少し深く探ってみましょう。
こんなにもあるマリーゴールドの花言葉!そこから生まれる曲の余白に注目!
(出典:http://rennai-meigen.com/marigoldhanakotoba/)
あいみょんさんの楽曲の特徴の一つとして、リスナーが曲の主人公となって自分の想いを投影することが出来るというのが挙げられます。
なんとなくいい曲というよりも、「自分自身のことを歌った曲」と思えるほうがその曲への思い入れは深まりますからね。
この「マリーゴールド」も、聴く人によっては「恋人との悲しい別れを想像する人がいる」そうで、この曲の解釈に残された余白の効果が大きいことが想像できます。
その余白に関係してくるマリーゴールドの花言葉。ここに少し着目してみたいと思います。
マリーゴールドには色によって、「予言」や「健康」、「絶望」、「嫉妬」、「別れの悲しみ」、「信頼」、「生命の輝き」、「変わらぬ愛」、「濃厚な愛情」など、本当にたくさんの花言葉があります。
遥か遠い場所にいても
繋がっていたいなあ
2人の想いが
同じでありますように
なども、もしかするとこの二人は今はもう一緒にいないのかもしれないと思わせるフレーズ。
花言葉の意味を含めてこの曲について考えると、先程の「恋人との悲しい別れ」についても納得することができます。
これも、聴き手に色々な解釈を起こさせるあいみょんさんの技なのかもしれませんが、当の本人というと、
「マリーゴールドにいろいろな花言葉があるのは、最近知ったんですよ。」とインタビューで答えており、曲を作った後に知ったことを告白しています。
やはり基本的には、ストレートなラブソング。
それでも、
「いろんな花言葉があるように、“マリーゴールド”もいろんな捉え方がある曲であってほしいなって思います」
というのがあいみょんさんのこの曲に対する想いのようです。
ー参考ー
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オレンジのマリーゴールド:「予言」
黄色いマリーゴールド:「健康」
マリーゴールド全般:「絶望」、「嫉妬」、「別れの悲しみ」
(出典: http://rennai-meigen.com/marigoldhanakotoba/)
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「ああ アイラブユーの言葉じゃ〜」から始まるストーリー性もこの曲の魅力!
(出典: https://www.dailymotion.com/video/x6lu5w2)
花言葉の次にもう一つ注目したいのが、「マリーゴールド」で描かれている2人の物語でしょう。
今回の「マリーゴールド」も、2番の「ああ アイラブユーの言葉じゃ足りないから」というところから物語が動き出すんですよね。どうしても1番は物語の設定を説明している感じになりがちで、これまで書いてきた曲も2番から物語が展開することが多いんですよ。なので私のことを好きだと思ってくれる人たちにはぜひフルで聴いてもらいたいですね。
と本人が語っているように、最後にこの曲で垣間見えるストーリーを考えてみることにしましょう。
【2番サビ】
柔らかな肌を寄せあい
少し冷たい空気を2人
かみしめて歩く今日という日に
何と名前をつけようかなんて話して
ああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま
思いを寄せ合っている二人が肌を寄せ合って、
自分たちだけの記念日を作ろうとしている様子が浮かんでくるのと同時に、
口づけをした二人の影が雲に投影されたような美しい描写を想像させる部分になっています。
そして、
遥か遠い場所にいても
繋がっていたいなあ
2人の想いが
同じでありますように
麦わらの帽子の君が
揺れたマリーゴールドに似てる
あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋
「もう離れないで」と
泣きそうな目で見つめる君を
雲のような優しさでそっとぎゅっと
抱きしめて離さない
ああ アイラブユーの言葉じゃ
足りないからとキスして
雲がまだ2人の影を残すから
いつまでも いつまでも このまま
離さない
いつまでも いつまでも 離さない
この瞬間は終わってしまうかもしれないけれど、
二人の通じ合った想いはずっと続いてほしい。
「この一時」が大好きだけど、心のどこかでは終わってしまう可能性があると分かっているからこそ、
その想いはさらに強くなるという気持ちが、
最後の「いつまでも いつまでも 離さない」で表現されているのかもしれませんね。
以上、少々長くなってしまいましたが、
このようにあいみょんさんの「マリーゴールド」は、
聴く人によって、またこの曲を聴く時に置かれた自分の状況によってもその時その時に色を変え、
違った感情を呼び起こしてくれるような不思議な魅力に溢れた一曲になっていると思うのです。
終わりに
(出典: https://natalie.mu/music/pp/aimyong05)
いかがだったでしょうか。
今回は、あいみょんさんの「マリーゴールド」について、歌詞の意味や曲に込められた想いを考察してみました。
聴けば一発で分かるその穏やかで深みのある声に加えて、非凡な歌詞でも注目を浴びるシンガーソングライターのあいみょんさん。
これからもリスナーの心を掴んで離さない彼女の楽曲たちに酔いしれたいですね。
コメント
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私は卒業を機に遠距離恋愛になる2人の恋を歌った歌だと解釈しました。以下、解釈。
風の強くなる春に心が揺れ動くけど、でんぐり返しのように繰り返す日々を、だらけながら過ごしていても、目の前には希望の光である彼女がいるから幸せだなぁ。
夏の日のマリーゴールドが彼女の姿に似てたなぁ。
夏にはまだ、恋だったから彼女から離れてしまってたなぁ(恥ずかしくて)
彼女から、(卒業まで僅かだから)もう離れなでと涙ぐままれて、優しく抱きしめたぜ!
本当は離れたくないっていいたいけど、言えない。
でも遠距離でもうまくいくと思うから絶望はない。
だって離れてても目を閉じればシルエット浮かぶから。
少し寒い卒業後の別れの日(新しいスタートを2人で歩み出す日)に何て名前を付けようかなんて話して
あとは割愛します。
こんにちは。
私はこの曲がなぜマリーゴールドという花を選んだのか、不思議でした。
ネガティブな花言葉を多く持ち、このような歌には似合わない気がしていたからてす。
しかし記事を拝見し、悲しい解釈もできるのだと思いました。
なんだか不思議な歌です。
高校の現代国語の授業で詩を取り扱う単元があり、先生が真っ先に教材として出してきたのがこの歌の歌詞でした。先生は「詩や歌も含む芸術作品は、作り手ではなく鑑賞する側の価値観や見方によって、その価値や表現の意味が決まる」と仰っていましたが、作り手の気持ちから読み取った事を更に掘り下げていくのもある意味音楽(芸術)の楽しみ方なのかなあ、と思います。あいみょんさんの歌い方もぐっときて、いいですよねぇ…。