吉澤嘉代子「ミューズ」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
6月13日リリース「ミューズ」のジャケットを公開します!
モデルは安達祐実さんです。柔らかで気さくで、ほんとうに美しい方でした。撮影中にずっとミューズの鼻歌を歌われていた姿が少女のようで印象的でした。
歌詞に寄り添ったアートワークになっているので、早く曲をお届けしたいです。 pic.twitter.com/WhuoQtRWUP— 吉澤嘉代子 (@yoshizawakayoko) 2018年5月8日
とても繊細で、聴く人の琴線に触れるような美しい歌声が印象的な吉澤嘉代子さんの「ミューズ」。
そのミュージックビデオは、女優の安達祐実さんが夢に向かってひたむきに努力を続けるダンサー役で登場し、時に無邪気に、そして時に真剣な眼差しで自分の日々と向き合う魅力的な女性を演じていることでも注目を集めています。
(出典: https://twitter.com/yoshizawakayoko)
そして、なんと言っても注目したいのがこの「ミューズ」の歌詞。
「戦っている貴方はうつくしい」という女性への力強いメッセージで始まるこの曲では、
その随所に吉澤嘉代子さんの圧倒的な言葉の力が光っています。
優しくも力強く背中を押してくれるこ吉澤さんの「ミューズ」にはどのような想いが込められているのでしょうか。その歌詞について意味を考察してみたいと思います。
吉澤嘉代子「ミューズ」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
「ミューズ」ー 吉澤嘉代子
作詞: 吉澤嘉代子
作曲: 吉澤嘉代子戦っている貴方はうつくしい
魔法は永遠じゃない
大切なとき 思い出せない
でも言葉は永遠だって
何も変わらず生きているって透明な雨が降りそそぐ
川は激しく濁り
やがてまた 水の底を映すかがやきは傷の数だけ
いびつな傷跡が乱反射した
戦っている貴方はうつくしい一瞬で終わってしまう
火花の中にとび落ちて
一生を捧げるように
永く静かな恋をした透明であろうとするほどに
すべてを吸ってしまう貴方だから
物語になるよ憧れが磨かれるとき
大切な使命は報われるだろう
鉄は溶けて さめて形になるかがやきは傷の数だけ
いびつな傷跡が乱反射した
戦っている貴方はうつくしい戦っている貴方はうつくしい
タイトルの「ミューズ」は何を意味している?
まず、タイトルにもなっている「ミューズ」という言葉の意味について簡単に触れておきましょう。
ファッション業界などでは「MUSE」という雑誌もあるようにこの言葉を度々見かける方もいらっしゃるかもしれませんね。
この「ミューズ」は女神を意味する言葉。
(出典: https://en.wikipedia.org/wiki/Muses)
ギリシャ神話で、文芸・学術・音楽・舞踏などをつかさどる女神たち「ムーサ」が語源とされており、その英語名がミューズというわけですね。
音楽や美術に深く関わっている女神だということもあって、「music(音楽)」、「musium(美術館)」などという言葉はこの「muse」が基にになっているとされているそうです。
吉澤嘉代子「ミューズ」の歌詞を考察!
吉澤嘉代子さんはこの「ミューズ」という曲について、
「ミューズというタイトルで、人生の傷跡を肯定するような歌を書きたいと思いました。誰かに向けて作るのは自分の底の浅さと向きあう作業になるので、すごく難しく時間が掛かりました。それでもどうしても書きたくて、大事な友達のひたむきな美しさを讃えるようにしてやっと仕上がりました」
とコメントされています。
その歌詞を少し見ていくことにしましょう。
かがやきは傷の数だけ
いびつな傷跡が乱反射した
戦っている貴方はうつくしい
「人生の傷跡を肯定するような歌」というのが、この歌詞から感じ取れます。傷というのは今まで経験してきたつらい経験のことでしょう。
どれだけ辛い思いをして傷ついても、何度も立ち上がって今日を生きるあなたはとても美しい。
そして、その痛みの数だけあなたはまた一回り成長して魅力的な女性になれますよ。と励ましてくれているように思えます。
一瞬で終わってしまう
火花の中にとび落ちて
一生を捧げるように
永く静かな恋をした
この部分では、「とても短い人生の儚さ」と、「限られている時間だからこそ感じられる熱い気持ち」が歌われているような気がします。「一瞬」・「火花」と「一生」・「永く」のコントラストがとても印象的です。
透明であろうとするほどに
すべてを吸ってしまう貴方だから
物語になるよ
女性の素直さ、そして愚直さを感じさせるこの部分。
きっと、あなたが傷つくことが多いのも目の前で怒っていることに純粋に反応しているから。
素直すぎる分、周りの影響を受けやすく脆いところがあるけど、きっと印象深い経験をたくさん積むことができる。
「そんなあたはいつでも人生の主人公ですよ」というメッセージなのかもしれませんね。
憧れが磨かれるとき
大切な使命は報われるだろう
鉄は溶けて さめて形になる
2番のサビになっているこの歌詞。「鉄は溶けて さめて形になる」という部分がとても気になります。
これは、個人的な推測になってしまいますが、ここで表現されているのは「無限の可能性」。以前に吉澤さんの実家が製造していたという鋳物(金型)に関係があるように思えます。
普段わたしたちの身の回りを取り囲んでいる鉄ですが、よくよく考えて見ると、その形は元々自然界に存在するものではありません。人の頭の中のイメージ(加工してどんな用途を持たせるか)が鉄の形を決めているのです。
つまり、鉄は人のイメージ次第でどんな形にもなる無限の可能性を秘めているということ。
「ミューズ」の2番の歌詞に吉澤さんが「鉄」という言葉を入れた意味はハッキリと分かりませんが、熱い情熱を持って目標に向かっていくことで、鉄が形成さるように「あなたの無限の可能性は形を帯びていくのですよ。」ということなのかもしれません。
詩のように何度読み返してしまう吉澤さんの歌詞。
聴く度に耳から離れないお気に入りの部分が見つかりますよね。
吉澤嘉代子さんってどんな人?
言葉を操るという表現がピッタリなシンガーソングライターの吉澤嘉代子さん。
まだ謎に包まれている彼女のプロフィールを分かっている範囲で紹介してみたいと思います。
・名前: 吉澤嘉代子(よしざわ かよこ)
・出身: 埼玉県川口市
・誕生日: 1990年6月4日
・血液型: O型
・職業: シンガーソングライター、作詞家、作曲家
・活動期間 2013年 〜
・レーベル: 日本クラウン
・事務所: ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
吉澤嘉代子さんは、金型の工場を営んでいた(小学生の頃に廃業)家庭で育ちます。
楽曲作りは16歳から始めており、影響を受けたアーティストは父親がよくモノマネをするという井上陽水さんや、自身が救われたというサンボマスターなどを挙げています。
その他、自身のツイッターにもアップしているように、小学生の3年生の頃から5年生まで魔女修行を行っていたこと。
魔女修行してたことも大人になってから、ずっと”黒歴史”として誰にも言いたくない、恥ずかしい過去として封印してたんですけど、こういうふうにシンガーソングライターになって、どうして歌を歌っているのかってお話をするようになったときに、そこは避けて通れない場所で。
— 吉澤嘉代子 bot (@kayopon_bot) 2016年6月26日
小学5年生から中学時代の5年間に不登校の経験していることなどをインタビューで告白されていますが、その他はあまり情報がありません。
ただ1つ言えるのは、この魔女修行をしていた頃に抱いていたという、この「誰かになりたい、変身願望」が、現在の吉澤さんの曲に反映され、歌の中で消化されているのだそうです。
そんな吉澤さんですが、2014年に開かれたヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ・オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけにメジャーデビュー。
独特な世界観を持つ彼女の音楽性は、芸能界や音楽業界の著名人からも絶賛されており、今では国内の大型フェスなどでも大きな注目を集めるアーティストさんの一人となっています。
終わりに
(出典: https://talent.thetv.jp/person/2000010197/)
いかがだったでしょうか。
今回は吉澤嘉代子の「ミューズ」について、その歌詞や曲に込められた想いを考えてみました。
チャーミングなルックスと独特な表現力を持ち合わせ、独自の世界観を築いている吉澤さん。
そんな言葉の魔法使いの彼女が、これからどんな世界を聴き手に見せていってくれるのか。
今後の活躍にもますます期待が高まります。
コメント
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輝きは傷の乱反射だとか、鉄は溶けて冷めて形になるとか、磨かれてとか、鉄工所に勤めるおじさんが書いた詩なのかな?って印象を受けたけど、ナルホド鋳物屋さんの娘なのですね(笑)
ラジオで聴いて変な歌だなって思って検索して、ここに辿り着いて歌詞の全てを読んだけど、やっぱり変な歌詞ですね〜
雨が川を濁らせるってところと輝きは傷の乱反射だってところは「透明でいようとするほどに全てを吸ってしまう」って言葉に帰結すると要するに重複だと思うんだけど、川の方は時間が経てば透明さが戻るって言っちゃってるのが一つ失敗してますよね。
魔法と言葉で方や永遠で方や永遠じゃないって二極論が冒頭に乗っかってるのも文脈として渋滞してる。
川の濁りは永遠じゃなくて、磨いた鉄の輝きは傷を刻んだ分だけ永遠だって言う二極論も一応は成り立つけど、多分書いた当人はそこには気づいていないだろう。
磨いて輝いたと思っていたらそれは実は傷だったって言うのが多分本当に言いたい方のオチなんだろうけど、雨と川の表現の方も捨て切れなかったのかな?
どちらかに表現を絞って、恋とかの捨て文字を無くして、もう少し状況が伝わる言葉を前半に配置してくれれば良かったのにって思います。
最初と最後に戦っているつて言葉が有るのに何と戦っているのかが全く分からない。
途中で言葉を埋めるために出した感が半端ない「恋」の一文字がとても残念なくらい全体の印象を崩している。
恋に破れて傷ついた人への応援歌?ってことになっちゃうんだけど、実は恋の方も一生を捧げるように、永く、って恋が一つしか無いもののような言葉を重ねてしまっているから少し残念。
もしかしたら永くの後の「静かな」の方を拾って、実らないであろう密かな恋を続ける人の歌なのかも?
戦うとか鉄とか、硬質な印象を受ける言葉が頻発するおかげて全然女性の恋を連想できなかったからタイトルがミューズだと知って二度びっくりでしたよ。
そもそもミューズ…なんのこっちゃですね。
既婚者に恋をしてしまった知り合いの女性シンガーを励ましてるのかな?
まあ、とにかく変な歌ですよ!
横から失礼します。
なんつんさんのコメントを読んで、”文脈の渋滞”っていうのは妙に納得してしまいました。
すごい分析ですね。
単純に素直な応援歌として受けとる歌というよりは、かなり歌詞の内容を考えてしまうって感じがします。
でも私は吉澤さんのなんとも言えない緊張感がある声とか、入りこんでいける曲の雰囲気とかが好きですね。
なんつんさん、変な人ね。
それだけ分析されてコメントまで投稿するほど、この”変な歌”が大好きなんですね。
主は書きっぱなしでコメントに返信も何もしないの?
痛いとこつかれた感じだから無視してるのかな?
好きとかではなくて、インターFMを聴いていると最近何度も流れるんですよ。
局かレーベルかのパワープッシュなんだと思うんだけどね。
それで、聴き取れないところも色々有ったりするし、文法が整わない言葉ってメロディに乗ると理解が追いつかないせいで聴こえないって言うか、頭に入らないってことがあるから、聴き取れない部分が気になったからネットで検索したんですね。
先に書いた通り、最初は絶対鉄工所で働きながらミュージシャンしているような中年のおじさんが楽曲提供してるのかな?って感じで、詩を読むまで歌が問いかけてる「君」すら男のことだと思ってましたからね〜
それが女性の事を歌ってて、しかもラブソングのカテゴリーに入っちゃうのか??って感じで、変な歌だなって思ったってところです。
感想も熟慮して書いたわけではなく、第一印象のみで思った事を書いたので、分析なんて立派なものでもないし、そもそもこの歌詞自体そこまで完成度は高くないので、字数合わせや構成の都合みたいなのがありありと出ているなってのが一番の印象で。
ただ、輝きは実は傷に光が反射しているんだよとか、メッセージとしては面白いなってのは思ったからワザワザ調べてまで残りを読んだって感じっすね。
テーマは面白いけど、書くのが下手って近年の歌の歌詞で最も多いパターンで、書きたいと思ったことが状況説明だけで纏まっちゃってるのがその原因だと思うんですよね〜
この歌詞もまさにそれ。
ちょっと興味を引く言葉は出てくるけど、キャスティングボードも浮かばないし、何についてのメッセージなのかも良く分からない…みたいな。
伝えるために物語を構築して、最後にメッセージに到達するって言うのが正しい文章の流れで、それは散文でない限りは詩歌にも当然備わっているスタンダードなんですよ。
それが今はそう言うスタンダードを学ばないまま文章を書く人が増えているから、結果状況報告と文字稼ぎの定型語が埋め合わせのように交差する、おかしな散文詩が完成するのだと思います。
この歌詞で言うと、一番耳についた「鉄」に関する言葉のいくつかがその他の言葉と全く溶け合っていないから、それが逆に悪目立ちという関心を引いたのかなって思います。
細かく見ていけばまだまだ変なところは山積みですよ。
だけど、キリがないのでこの辺で。
むしろ他の人の読み取り方を知りたいです。
先日友達の車の中でこの歌を初めて聴きました。
ずいぶん古い歌だったんですね。
なんとも意味不明な歌詞を友達も笑いながら解説してくれたりしてその時は楽しかったけど、やっぱり意味が分からないなと思って歌詞を読んでみようと思って検索してみたらこちらの解説を見つけました。
正直本文の解説にはイマイチ納得できないと言うか、変だなって思った部分の受け取り方が強引な印象でした。
でも皆さんのコメントまで読んでみてなんつんさんの読み取り方になるほどと納得です。
正直自分もどうしても筋の通らない部分に無理矢理意味を持たせようとしていたけど、作詞家の技量不足と言ってしまえば確かにその通りだなと。そんな納得の仕方をするのは嫌な気もするけど、やっぱり意味の通らない部分は意味を成していないんだなって思った方が読みやすかったです。
最初にこの曲を聴かせてくれた友達もこの内容でタイトルはMUSEだからね!誰の事だよ?って感じだよねと言って笑っていたけど、この内容にこのタイトルを付けて憚らない程度の人の作品かと…
解説の方に書かれてましたけど、作者もインタビューでタイトル有りきで作りましたみたいなことを言ってるみたいですし、そう思うとまあそう言う事かってふに落ちますね。
ついつい何事にも分かりやすい意味を求めてしまう癖がついてしまっているけど、世の中には意味の無い言葉と言うのもあるのだと頭の片隅にでも置いておかなきゃいけないなって思いました。