Uru「remember」歌詞の意味とは?【映画『夏目友人帳』主題歌】
(出典: https://realsound.jp/2018/08/post-242253.html)
その透き通った温かい歌声と聴く人の心をつかむ歌詞が魅力的なシンガー・Uru(ウル)さん。
彼女の「remember(リメンバー)」は、この秋話題の映画・『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』の主題歌となっている一曲です。
人と妖(あやかし)の間で生まれるストーリーという少し神秘的な内容を扱った作品である同映画に対してUruさんは、
必ず誰もが一度は経験する出会いや別れ、その時の心の動きや背景を曲を聴いた方がご自分の経験と重ね合わせた時に、何か温かい気持ちになれるような、そんな意味も込めて制作しました。
というコメントを残しています。
Uruさんの、リスナーを包み込むようなその歌声が印象的なこの素敵なバラードナンバー。
今回は、こちらの一曲について、その歌詞の意味を考察してみたいと思います。
Uru「remember」歌詞フルver.とその意味とは?
「remember」 ー Uru
作詞: Uru
作曲: Uru夏の終わりを知らせるように
道端にそっと 並んで咲いた
夕にも染まらず風も知らない
青い、青い、リンドウ傷つくことを恐れながら
心を隠したりしたけれど
誰かが傍にいてくれる温かさを
教えてもらったからさよならじゃない
名も知らない遠い場所へ
離れたとしても 記憶の中で
息をし続ける夜に埋もれて
誰も知らない遠い場所へ
迷ったとしても 記憶の中の
温もりでずっと今を照らせるよう遠くで聞こえる祭りの声は
関係ないんだって そう思っていた
見たくもなかった境界線が
寂しかった日々誰の背中も追わなかった
時には嘘もついたけれど
守りたいものがここにできたこと
それがただ嬉しくてさよならじゃない
向かい合えずいた寂しさも
帰りたい場所がここにあるだけで
それだけで 強さに変わる愛されたいと本当はもがいていた
この孤独も涙も包むような
優しさに出逢えたからさよならじゃない
例えばもう 会えなくなっても
きっとどこかで
笑っていると
心繋げてさよならじゃない
名も知らない遠い場所へ
離れたとしても 記憶の中の
温もりを ずっとずっと忘れないよ
「夏田友人帳」ってどんな物語?
トレーラーに出てくるように、『夏田友人帳』は、主人公の夏目貴志(なつめ・たかし)が、妖(あやかし)たちに名前を返していく物語です。
亡き祖母が負かした妖に名前を書かせ、その名前が集められている『友人帳』を受け継いだ貴志。
名前を返してほしい妖怪たちは、この『友人帳』を求めて貴志の前にひっきりなしに現れます。
妖怪たちのお願いは様々ですが、心優しい貴志はついついその厄介事に巻き込まれてしまうというのがお決まりとなっています。笑
それでは、この映画の主題歌を担当したUruさんのお話に少し戻りましょう。
『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』の主題歌を書き下ろすにあたって、原作と劇場版のお話を全て読んだというUruさんは、この映画について以下のような想いを語っています。
◎Uruさんコメント
人間と妖の話なのだけれど、私達が生きていく上で経験する、出会いと別れが根本にあり、孤独や寂しさ、人の優しさや愛情など、全てが詰め込まれた本当に感動の名作だなと感じました。お子さんだけでなく大人の方にも是非観て頂きたい作品です。
この『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』は、映画のだけのオリジナルストーリー。
公式ホームページに紹介されているあらすじによると、、、
人と妖の間で忙しい毎日を送る夏目は、
偶然昔の同級生・結城(ゆうき)と再会したことで、妖にまつわる苦い記憶を思い出す。
そんな頃、夏目は、名前を返した妖の記憶に出てきた女性・津村容莉枝(つむら・よりえ)と知り合う。
レイコのことを知る彼女は、いまは一人息子の椋雄(むくお)とともに穏やかに暮らしていた。
彼らとの交流に心が和む夏目。
だが、親子の住む町には謎の妖が潜んでいるらしかった。
そのことを調べに行った帰り、ニャンコ先生の体についてきた”妖の種”が、
藤原家の庭先で、一夜のうちに木となって実をつける。
どことなく自分に似た形のその実を食べてしまったニャンコ先生が、
なんと3つに分裂してしまう――!?
といった物語という説明があります。
(出典: https://natsume-movie.com/character/)
分裂してミニチュア化したニャンコ先生や、津村親子を通して発展していくストーリーが見どころとなっている作品ですね。
映画の内容と主題歌「remember」のつながりとは?
きっとこの映画を見た方なら、共感してくださる部分があると思うのですが、
Uruさんは同映画に登場する、あるキャラクターの視点を切り取って、曲の歌詞に反映させているのではないかと想像します。
本当の自分の姿を偽って、人間界で生活をするこの妖(あやかし)。
「優しく、哀しい、嘘をついた」
という言葉がキーワードとなっていますが、傍から見るとその妖の行動は、少し「切ない」ものであると同時に「優しい」とさえ感じさせるものです。
周囲との関係を築いていく中で、その関係、そして一緒に過ごすことができる時間には限りがあることを知りながら、孤独を紛らわすためについた嘘。または、相手のことを想って悲しい思いをさせたくないからこそついた嘘。
そんな、ふとした日常で起こる温かくも切ない出来事を描いた歌詞が、映画の物語と重なって観る人の共感を誘います。
さよならじゃない
名も知らない遠い場所へ
離れたとしても 記憶の中で
息をし続ける
夜に埋もれて
誰も知らない遠い場所へ
迷ったとしても 記憶の中の
温もりでずっと今を照らせるよう
同映画では、この妖は最終的に人の世界を離れることになります。
そして、「名もない知らない遠い場所へ」と姿を消すことになる。
本来であればこれはつまり、人の記憶にも残らないまま消えてしまうことを意味するのでしょう。
でも、この「remember」の歌詞にあるように、
「記憶の中の温もりで今を照らせるよう」
とあるのは、
きっと、自分が消えて記憶からもいなくなったとしても、自分が存在していた時に感じた温もりだけは消えないで残っていてほしいという願いが込められているのではないかと想像します。
ちなみにですが、この映画及び、曲中の歌詞に登場する「リンドウ」の花言葉は、
「悲しんでいるあなたを愛する」、「正義」、「誠実」
とってもこのキャラクターにぴったりな言葉ですよね。
(すでに映画を観た方にしか伝わらずですいません。。。)
まだ、『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』を観ていない方にはぜひ劇場で、「remember」の歌詞を映画の内容に当てはめてこの曲に浸ってみることをおすすめしますよ。
終わりに
(出典: https://natsume-movie.com/music/theme.html)
というわけで、今回は『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』の主題歌である、Uruさんの「remeber」という曲について紹介してみました。
個人的な解釈になってしまいますが、この曲は「remember」というタイトル(おそらく今回の意味は、「覚えていてほしい」と解釈するのが自然)にしても、歌詞に登場する「リンドウ」という花にしても、
Uruさんがこの映画のストーリーを象徴する「言葉」であり「花」であるものをタイトルや歌詞に採用したのではないかと感じずにはいられません。
急ぎ足で過ぎていく日々の中で少し立ち止まって、今ある大切な人との絆を再認識させてくれるような、そんな温かい気持ちにさせてくれる素敵な一曲です。
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