BLACK MEMORY(オーラル)の歌詞の意味とは?【Mステ】
(出典: https://twitter.com/gigs_official/status/912235068461948930)
“オーラル”の愛称で親しまれる4人組人気ロックバンド『THE ORAL CIGARETTES(ジ・オーラル・シガレッツ)』。
「BLACK MEMORY」はそんな彼らが初の映画タイアップ曲(2017年9月公開・映画『亜人』の主題歌)として書き下ろした疾走感の溢れるロックチューンとなっています。
何度でも蘇生を繰り返すことができ、決して死ぬことのない新種の人類『亜人』と、彼らを追いかける日本国政府の戦いが描かれているストーリーにキャッチーな音でバッチリとハマっているこの「BLACK MEMORY」。
今回は、オーラルがMステで披露することとなったこの曲について、その歌詞にどのような想いがこめられているのか考察してみたいと思います。
「BLACK MEMORY」の歌詞の意味とは?
「BLACK MEMORY」ー THE ORAL CIGARETTES
作曲: 山中拓也
作詞: 山中拓也Get it up
Hold for a moment
聞き飽きた
現実からの逃避
だいたいはエゴの思想
永久なんてさ
願ってもない 叶いやしないさHOLLY
聖なる夜の心地は
非常に残酷な自問自答
幸か不幸かは
自分の眼にしか見えないさ
No one gets close to meBLACK MEMORY
どうなったっていい
まだわからない世界で
滲む Oh Oh Oh 叫ぶ
どうなったっていいから
僕を壊さないで
覚ませ Oh Oh Oh
限界突破見せて さぁGet it up
Like a loser
いつだって満たされないよ
きっとその方が強いから
迷宮なんてさ
出口もないし終わりもないさOh Shit!!
世の中に溢れ出す
異常に価値のない有象無象
関係ないきっと
あなたの心でBLACK MEMORY
どうなったっていい
まだわからない世界で
滲む Oh Oh Oh 叫ぶ
どうなったっていいから
僕を壊さないで
覚ませ Oh Oh Oh
限界突破見せてやるさ一瞬の迷いも見せない
僕の瞳が派手に落とすのは
崩壊と希望の二層を既に離した
記憶ただBLACK MEMORY
人生は守るべきモノで出来ていて
いつか Oh Oh Oh 超える
どうなったっていい
とか もう言わせないよ
響け Oh Oh Oh
全身全霊かけてやるさ
『亜人』ってどんなストーリーなの?
『THE ORAL CIGARETTES』の初映画タイアップ曲となったこの「BLACK MEMORY」は映画『亜人』の主題歌として書き下ろされました。
そのテーマは『亜人』という特殊な人種にとって重要なキーワードである「エンドレス・リピート」や、
『亜人』の主人公が置かれたような不条理な世界の「どうしようもない、という状況下でどう生きていくのか」といったこと。
歌詞の中にはこの『亜人』に深く関係しているとおもわれるフレーズがたくさん登場しますので、まず簡単に物語のあらすじを紹介してみたいともいます。
(出典: https://eiga.com/movie/85936/photo/)
映画『亜人』のあらすじ
まず、『亜人』というのは、人間と全く同じ姿をした新しい人種のことです。
その特徴として、命を失っても蘇生するという不死身の体を持つことが挙げられます。
映画の中では戦闘でダメージを追っても死ぬことによって完全に復活できる(”リセット”と呼ばれる)ため自ら死んで復活するというシーンもあります。
そんな『亜人』に登場する主人公の永井圭は、病気の妹を救うために研修医となった人物。
そんな彼は、ある日交通事故に巻き込まれたあとすぐに蘇生したことから亜人であることが発覚します。
その後、圭は日本で3番目の亜人ということで政府機関の保護下に置かれ、非人道的な人体実験のモルモットのように扱われることに。
一方で、佐藤と名乗る日本人初の亜人(長きにわたって人体実験を受け続けた男)は、人間への激しい復讐心を抱き、テロ行為を行っていました。
この佐藤は、圭が拘束された政府機関(厚生労働省)を襲い、圭に対して手を組もうと申し出ますが、圭にはそれを断り一人施設から逃亡。指名手配の身となって逃げ続けます。
その間にも佐藤のテロ行為はエスカレート。かつて人体実験の標的にされた厚生労働省を中心に人間を襲っていました。
これを受けて圭は戸崎(厚生労働省の指揮官)に共闘を申し入れます。
かつては自分に人体実験を行っていた戸崎の行いを忘れたわけではありませんでしたが、敵の敵は味方だとして、共に佐藤と戦うことになります。
佐藤の次なる標的は自身への人体実験をもとに生物兵器を作り出し、巨額の利益をあげたとされるグラント製薬。そしてそこで迎え撃つ圭と戸崎たち。亜人同士の最終決戦の行方は。。。といったお話です。
このストーリーも少し踏まえて「BLACK MEMORY」の歌詞の意味を考えてみたいと思います。
「BLACK MEMORY」の歌詞に込められた意味とは?
この曲の作詞作曲をしたオーラルのボーカル・山中拓也さんは、「BLACK MEMORY」について以下のように語っています。
映画を観る前の話し合いの段階で、最初に「エンドレス・リピート」っていうテーマがあったんですよ。その“ずっと続いていく”っていう要素をサウンド面にも落とし込んでほしいっていう……本当にそれぐらいしか向こうからいただいたテーマはなかったので、それだけ大事なことなんやなって思って。
歌詞はしっかり練っていて、元々は『亜人』の作品のことを歌ってる歌詞だったんですけど、映画サイドのスタッフの方から、「サウンドだけで充分『亜人』を表現できてるので歌詞まで寄せてくれなくて大丈夫ですよ」「歌詞は好きなように書いてください」って言ってもらえて。
この山中さんのコメントから考えると、「エンドレス・リピート」がどれほど重要なテーマであったかがよく分かりますね。そして、”この永遠に繰り返されること”は歌詞の中というよりサウンド自体にものすごく表現されていることにも注目です。
Get it up
Hold for a moment
聞き飽きた
現実からの逃避
だいたいはエゴの思想
永久なんてさ
願ってもない 叶いやしないさ
Get it up (起き上がれ)、という言葉がキャッチーなサウンドとともに繰り返される曲のイントロは、エンドレスに繰り返さえる亜人の命や戦い、人体実験のことも少し含まれている印象も受けます。
望んでいなかった亜人というこの永遠に繰り返さえる命のことや、人体実験の身として利用される理不尽な仕打ち。
その不死身な体を利用して利益をあげようとする者たちや、復讐に燃える者など、本当にいろんなことを想像させる曲の始まりになっている気がしますね。
BLACK MEMORY
どうなったっていい
まだわからない世界で
滲む Oh Oh Oh 叫ぶ
どうなったっていいから
僕を壊さないで
覚ませ Oh Oh Oh
限界突破見せて さぁ
そして山中さんは「エンドレス・リピート」ともう一つ、亜人のような「どうしようもない」環境に置かれた状況下に置いて「諦めるのではなくその中でどう生きていくか」をテーマとして、歌詞を書いたのだそうです。
そう考えると、亜人と自覚して生きることになった主人公の絶望的な思いも、時間を経て少し希望が生まれたというストーリーが歌詞の中で展開されているようにも思えます。
最初は、自分の置かれた状況を理解することを苦しんでいるように、「もうどうなってもいい」、ただ「僕を壊さないでほしい」という思いが歌われているサビに対して、
一瞬の迷いも見せない
僕の瞳が派手に落とすのは
崩壊と希望の二層を既に離した
記憶ただ
後半では「崩壊と希望の二層を既に離した」という言葉や、
BLACK MEMORY
人生は守るべきモノで出来ていて
いつか Oh Oh Oh 超える
どうなったっていい
とか もう言わせないよ
響け Oh Oh Oh
全身全霊かけてやるさ
「人生は守るべきモノで出来ている」、「どうなったっていいとかもう言わせない」という言葉になっています。
これは想像するに、自分の運命を受け入れて生きていくこと対して心の整理が出来始めていることを表現しているように思えるのです。
この映画に限ったことではなく、人生には理不尽なことがいつだって起こり得る。でも、絶望の中にも希望があって、最後には光が見えるということを曲全体を通して表したかったのではないかと考えられるのではないでしょうか。
終わりに
(出典: http://blacktriangledesign.blogspot.com/2017/08/oral-cigarettes-b-black-memory.html)
今回は映画『亜人』の主題歌となった『THE ORAL CIGARETTES』の「BLACK MEMORY」について、歌詞の意味を考察してみました。
この映画『亜人』で映し出されているダークな世界観という点においては、共通しているところがあって想い入れを感じたというオーラルのサウンドがピッタリとハマったこの「BLACK MEMORY」。
一度聴くと耳から離れない曲のイントロである”Get it up”(ゲッゲリラー、ゲッゲゲリラー) も話題になりましたね。
これを曲をきっかけにさらに多くのリスナーに注目されることとなった『THE ORAL CIGARETTES』。
これからも彼ら4人の活躍に注目していきましょう。
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