sumika「フィクション」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
TVアニメ『ヲタクに恋は難しい』(以下: 『ヲタ恋』)のオープニングテーマとして書き下ろされた、sumikaの「フィクション」。
sumikaらしい明るいメロディーと心温まるメッセージが詰まった歌詞がオンエア開始直後から反響を呼んでいます。
『ヲタ恋』の原作は隠れ腐女子のOL・成海と重度のゲームヲタク・宏嵩による、ヲタクならではの恋愛を描いた人気漫画。
そのTVアニメ版のオープニングテーマとして使用されている「フィクション」は、アニメの物語にとどまらず、sumikaというバンドにとってもストーリー性が詰まった大切な一曲となっているようです。
ボーカルであり、作詞作曲を担当している片岡健太さんも、
sumikaで言うと5年分の日記を一気に読み返すことって難しいけど、それを凝縮したようなこの1曲ですからね。そんな1曲を改めて形にできたことはすごく幸せなことだなと思います。
と、その想い入れが伝わってくるコメントを残しています。
ここでは、そんなsumikaの「フィクション」について、その歌詞の内容や曲に込められた想いを紹介してみたいと思います。
sumika「フィクション」歌詞の意味や曲に込められた想いとは?
「フィクション」ー sumika
作詞: 片岡健太
作曲: 片岡健太さあ今日も始めましょか
昨日挟んだ栞の続きから楽あれば苦もあり
ストーリーは波の隨(まにま)に深い海を抜け空飛ぶ街に
繰り出しそこから降りれなくなり
脈絡もないような展開も
きっとオンリーなストーリー高鳴るとこには忘れず付箋を
時々くるマイナスな面に備えて
重宝してひらりひらり
めくりめくる
ストーリーストーリー
喜怒哀楽 忙しいひらりひらり
めくりめくる
ストーリーストーリー
忙しない ネバーエンディングいつになれば終わるんだ
皆目、見当もつかない
お生憎、見当もつかないさあ 今日も始めましょうか
栞挟んだページ 涙の跡
苦しくて思わず閉じた理由は忘れずに読み進めるほど白紙のページが
お気に召すままに
起承転結をこしらえてひらりひらり
めくりめくる
ストーリーストーリー
喜怒哀楽 忙しいのらりくらり
巡り巡る
ストーリーストーリー
自己責任 険しい破り捨てたい時はもう一回
付箋の場所を読み返し
そこに在ったストーリー
彩るキャラは居ましたか
さあ 思い出してひらりひらり
めくりめくる
ストーリーストーリー
喜怒哀楽 忙しいひらりひらり
めくりめくる
ストーリーストーリー
高鳴れば ネバーエンディングいつになれば終わるんだ
皆目、見当もつかない
お生憎、見当はつけないさあ 今日も始めましょうか
曲のタイトル「フィクション」とアルバム名「Fiction e.p」の関係とは?
(出典: http://eggman.jp/special/sumika-interview-4/)
2018年4月25日に発売となっているsumikaのニューアルバム「Fiction e.p」。
『Fiction e.p』ー sumika
1. フィクション
2. 下弦の月
3. ペルソナ・プロムナード
4. いいのに
上記の全4曲が収録されたこのアルバムのタイトルと、今回紹介している「フィクション」の関係はどういったものなのでしょうか。
まず、曲名の後ろに「-e.p」と付くものは通常ミニアルバムと言われたりしますが、収録時間や曲数が通常のアルバムよりも少ないという意味で使われていることが多いようです。
EP-シングルレコード(シングル曲+カップリング曲)
LP-LPレコード(いわゆる通常のアルバム)
(厳密に言えば、Long Play(長い=アルバム)に対してExtended Play(延長された(短い)=シングル)だそうです。)
これを踏まえた上で、片岡さんがアルバムタイトルとした「Fiction e.p」についてのコメントを見てみましょう。
4曲全部リード曲のe.pというイメージだったのでこの1枚が「フィクション」という曲だけの印象にはしたくなかったのはあったのですが、とはいえ“フィクション”というワード自体は気に入っていて。自分が作り出す音楽もそうですが、人が作り出す創作物ってフィクションと言えると思うんですね。そう思うと映画や本などにしろ自分が感動するものの9割くらいは人が作り出す創作物=フィクションなんだなって思えてきて、頭の中に思い描いたイメージを具現化することってすごくロマンがあるなって。そんな中で今作の4曲を並べてみたらこれはsumikaというバンドが生み出したフィクションだなと。これはすごく自然に発生した発想でした。だから作品としても“Fiction”という形にしましたね。
こうして見てみると、「フィクション」という言葉に至るまでの片岡さんの想像力が際立った素敵なアルバムタイトルですよね。
「フィクション」の歌詞を考察。
目まぐるしく展開していく日々のストーリーを想像させる片岡さんの歌詞。
深い海を抜け空飛ぶ街に
繰り出しそこから降りれなくなり
の辺りから不思議な情景が浮かんできます。
タイトルから考えると本の「フィクション(小説)」の物語が人の人生に例えられ、
その人生で展開していくストーリーのことを歌っているように思えます。
高鳴るとこには忘れず付箋を
栞挟んだページ涙の跡
破り捨てたい時はもう一回
付箋の場所読み返し
その物語(人生)の想い出に残るシーンや忘れたくない出来事には「付箋」を貼ったり、辛い出来事があった時には「栞」を挟んで立ち止まったり、、、という感じでしょうか。
そう考えると、「人が作り出す創作物ってフィクションと言えると思う」という片岡さんの言葉と、
そのフィクションの連鎖で出来上がっている世界や人生について歌ったこの曲の意味が理解しやすくなる気がしますね。
そして最後に結ばれている、「さあ 今日も始めましょうか」というフレーズ。
本を読み進めるように、昨日までのページに栞を挟んで、今日はその続きから物語(自分の人生)を前に進めよう。というメッセージとして受けとることができそうですよね。
終わりに
(出典: https://twitter.com/sumikaken)
いかがだったでしょうか。
今回はメンバーの思いが詰まった一曲、sumikaの「フィクション」について紹介してみました。
ちなみにですが、曲の最後に少し間奏を挟んで締めくくられる「さぁ今日も始めましょうか」という部分。
元々は入れる予定ではなかったのが、最後の最後に付け加えられたそうです。
ここには、季節(春夏秋冬)に例えた時に冬で終わるのではなくて、”次の春まで見せたい“。というボーカル・片岡さんの願いが込められているのだとか。
こういった、ストーリーのあるメッセージが、「また新たにスタートラインを切ろう」という前向きな思いにさせてくれるsumikaの素敵な部分ですよね。
あなたもぜひ、そんなsumikaの「フィクション」に自分の物語を重ねてみてはいかがでしょうか。
参考記事: http://eggman.jp/special/sumika-interview-4/
↑sumikaの『Fiction e.p』についてのロングインタビューが掲載されています。
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