カタルシストの意味とは?RADWIMPSのW杯ソング&歌詞に反響
(出典: https://spice.eplus.jp/articles/188221)
FIFAワールドカップロシア大会の開催に伴い、フジテレビ系の同大会関連番組テーマ曲として起用されることとなったRADWIMPSの「カタルシスト」。
熱烈なオファーを受けこの曲を書き下ろしたというRADWIMPSの野田洋次郎さんは、「是非やらせてください」と、強い想いで作曲を引き受けたそうです。
ワールドカップということもあり、この曲で描かれたテーマは「スポーツ」。
曲の一部が公開となったトレーラーの映像からも、洋次郎さん自身が描くスポーツマンシップの理想像を彷彿とさせる言葉を聴くことができ、大変興味深い楽曲になっていることが予想されますよね。
そして何よりもまず目を引くのが、「カタルシスト」という特徴的なタイトルです。
メロディックなだけでなく深い意味を持つ歌詞を生み出し続けてきた野田洋次郎さんにとって、この言葉がどういった意味を持つのか。。。
そこで今回は、この「カタルシスト」がどんな想いから付けられたタイトルなのか考えてみることにしました。
「カタルシスト」の意味とは?ー「カタルシス」から名付けた説 vs. 「語る」シスト説
野田洋次郎さんの言葉の世界には深く考えさせられるものがたくさん出てきますが、今回の「カタルシスト」もファンの間ではその意味について色々な憶測が飛び交っているようですね。
意味の予想については大きく分けて2つあるようです。
1. 「カタルシス」という哲学・心理学において「精神の浄化」を意味する言葉から名付けられた。
2. 「語る」と「シスト」(シストは「〜する者」という意味で捉えて)からなる造語。
順番に見ていくことにしましょう。
まず最初の『カタルシス』という言葉ですが、哲学を勉強すれば必ず名前を耳にすることになる、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスによって使われ始めたもので、哲学や心理学の分野において使用される用語のようです。
そしてその意味は、
・精神の浄化作用
・魂の浄化
・悲劇による感情の浄化
「鬱憤(うっぷん)が解消されて気持ち晴れる」というのが大意ではないでしょうか。
実はサッカーに関する本の中でも「カタルシス」という言葉が使われていたことがあり、
かつて日本代表としてプレーし、日本を熱狂の渦に巻き込んだ中田英寿選手は、”サッカーのカタルシスは爆発的で宗教的ですらある“、というの言葉を残してるのだそうです。
そして二つ目は「語る」+「シスト」という造語であるという説です。
これはどういうことなのかというと、
英語では語尾の終わりに ist という言葉が付くと「〜する者」と表すことが出来る言葉が存在します。
例を挙げてみますと。
◯アーティスト【artist】= art(アート)+ ist(〜する者)
芸術家、美術家、演奏家・歌手など
◯パーフェクショニスト【perfectionist】= perfection(完璧)+ ist (〜する者)
完璧主義者
◯アナリスト【analyst】= analysis (分析)+ ist (〜する者)
分析者
などが代表的な単語ですね。
これと同様に考えると、少し苦しい意味になってしまいますが「語る」+「〜する者」= 「論者」(スポーツの?)という言葉が出来なくもないでしょう。
また、「シスト」という言葉自体にも「(幼虫などが)膜に包まれ休眠状態に入った状態」という意味があるようですが、この曲の文脈で考えると少しシックリこない気がします。
やはり、個人的には前者の「カタルシス」に「〜する者」という言葉を合わせた造語で、「観客を興奮に巻き込み、気持ちを晴らしてくれる選手」の意味がこのタイトルに込められていると予想しています。
これだと、先程の中田英寿さんの例にあったように、スポーツを通して味わえる興奮、そして純粋にスポーツが好きという浄化された想いに綺麗に繋がっているのではないでしょうか。
「カタルシスト」の歌詞の意味とは?
「カタルシスト」ーRADWIMPS
作詞: 野田洋次郎
作曲: 野田洋次郎誰かを負かしたいわけじゃない
ただ自らの高みへ
昇りたい 出逢いたい まだ見ぬ自分の姿に
だから僕ら今 手を取るよ
あなたの笑う姿が
どれほどの勇気をくれるかを
あなたはきっと知らない
あなたにとっても どうかそうでありたい
上に掲載している歌詞は曲の公開されている一部を抜粋したものですが、
誰かを負かしたいわけじゃない
ただ自らの高みへ
昇りたい 出逢いたい まだ見ぬ自分の姿に
だから僕ら今 手を取るよ
勝つことだけが重要なわけではなく、スポーツを通じて人として成長していくことの大切さ。
そして、一人だけではなく仲間と一緒に高みを目指していくことの喜び、などが少ない言葉でしっかりと伝わってきます。
あなたの笑う姿が
どれほどの勇気をくれるかを
あなたはきっと知らない
あなたにとっても どうかそうでありたい
そして、究極的には自分が成長していくことによって、見ている人にいい影響を与えることが自分の喜びでもある。
このようにしてスポーツで繋がっていく「ポジティブな気持ちの輪」が野田洋次郎さんの考えるスポーツのように思えます。
そう考えると、タイトルの「カタルシスト」は、まさにこのスポーツを通じて感じられる「無常の喜びや浄化される気持ちを呼び起こすことができる者」と考えてもいいのかもしれませんね。
終わりに
(出典:http://realsound.jp/2016/11/post-10274.html)
いかがだったでしょうか。
今回は、FIFAワールドカップロシア大会の応援ソングであるRADWIMPSの「カタルシスト」について、この曲のタイトルの意味を考察してみました。
手掛けてきた数々の楽曲の中でも「スポーツ」をテーマにしたものはなかったという野田洋次郎さんは、
今回の「カタルシスト」について以下のコメントを残しています。
学生時代ずっと音楽と部活をがむしゃらにやっていたものとして、スポーツの感動に日々刺激を受けるものとして、絶対この曲を形にしたいと思い、是非やらせてくださいとお受けしました。あらゆる境界線をとり払い、人々を一つにつないでくれるサッカーという競技と、この曲が一緒に皆さんのもとに届いたら幸せに思います。そして大会でどんな歴史的瞬間が生まれるのか、今から楽しみでなりません。
今年、ロシアで開催を迎えるサッカーワールドカップは6月14日のスタート。
同大会で生まれる感動的な試合やスーパープレイの数々が、洋次郎さんの言葉通りこの「カタルシスト」と一緒に見られるのが今から本当に楽しみですね。
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